子どもをインターナショナルスクールに入れたいと思ったときに読む本』を読んだ。

発達の遅れている息子の進学先としてインターナショナルスクールも候補に入れようと思い、この本を手にとった。「発達の遅れ」と「インターナショナルスクール」のどこに関係があるのかというと、いわゆる留年の扱いである。日本の義務教育ではよほどのことがないかぎり、留年することはない。一方で、インターナショナルスクールでは発育状況に応じてカジュアルに留年させられると聞いて、それは息子にとってはむしろ素晴らしいのではないかと思い、本書を手に取った。

本を読んでみて、その点はやはりインターナショナルスクールは魅力的だと思った。本書では「一学年下げての入学」というセクションでこの仕組みに触れている。著者の子どもも「一年下げての入学」を経験しているとのことだ。

「人は人、自分は自分」といった姿勢のインターナショナルスクール社会では、一年歳が上だからといって色眼鏡で見られることはなく、いじめが起こることもまずあり得ません。そのおかげで親も子も安心して決断ができます。年齢のずれは自発的に起こるケースばかりではありません。小学校の中ほどになれば、海外からの転校生が転入時に一年学年を下げられることはざらです。中高レベルでは更にそうです。

実に素晴らしい。

しかし「息子をインターナショナルスクールに入れたいのか?」と問われると、まだ自信をもって「はい」とは言えない。やはり出費は相当かさむようだし (学費だけで年あたり220万円くらい、こまごました出費を含めて約250万円、初年度は更に100万円くらいの入学費、ESLプログラムを受けるとさらに年間30万円前後、長期のサマースクールも100万円前後…)、インターナショナルスクールがウリにしている「自分の頭で考えさせる教育」というのも、個人的にはそれほど魅力に思っていない。

日本の教育は北米にくらべて保守的かつ横並びであり、教科書を暗記するものだと批判されがちだと感じる。この本も似たような主張をしている。しかし、わたしはそれは必ずしも正しくないと思う。

少なくとも、わたしは教科書を暗記するような勉強をしたことはない。また、日本の受験である程度以上の点数を取るためには、暗記ではなく理解しなければならない。さらに言えば、高校から先の進路はまったくもって自由だし、自分も高専に進学してからは教育指導要領から外れた内容を学ぶことができた。

このことを踏まえて、暫定的には「インターナショナルスクールは魅力的ではあるものの、あくまで二番目の選択肢。公立小学校の普通学級を目指せる水準の発育にもっていきたい」と思った。

子どもをインターナショナルスクールに入れたいと思ったときに読む本